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◆他にもまだある読めない漢字(3)
辛酸をなめる からくてすっぱいものをなめる。つまり、辛いめにあったり、苦労することを意味する。〈しんさん〉
操を守る 愛する人のために「操」を守り通した女のことを歌った歌謡曲が昔流行ったが、「操」には「貞操(ていそう)」だけでなく、変わらぬ強い志を表す「節操(せっそう)」を意味する場合もある。〈みさお〉
嫡出子として生まれる 「嫡出子」とは、法律で夫婦と定められた男女の間に生まれた子を指す。夫婦が互いに貞操義務を果たさずに、婚姻外の異性と関係を持ち、子どもを出産した場合、その子は非嫡出子となる。〈ちゃくしゅつし〉
ケーブルを地下に埋伏する 埋もれ隠すこと、埋もれ隠れること、という意味。「埋葬」「埋没」など「埋」の音読みが「まい」だということは比較的簡単にわかるが、「伏」の音読みが思い出せないかもしれない。「降伏」という語を思い出せれば、ああそうかということになる。〈まいふく〉
雰囲気が悪い 「雰」には、もやもやと立ち込める大気という意味がある。〈ふんいき〉
木目込みの内裏様 日本の住宅事情から、五段飾りや七段飾りなどの雛人形を飾るスペースがない家庭も多い。木目込み人形の内裏様とお雛様だけならば、場所を取らずに飾ることができる。〈きめこ・み〉〈だいりさま〉
お館様の屋敷 お館様とは、武家の当主のことを指した。今でも日本各地に武家屋敷跡が残っている。〈お・やかたさま〉
守株の愚 「守株」とは、いつまでも古い習慣にこだわることをいう。中国の春秋戦国時代の思想書「韓非子」が原典だ。この思想書は、紀元前三世紀頃に韓非によって書かれたとされている。有名な故事成語の「矛盾」も「韓非子」からの言葉だ。〈しゅしゅ〉〈ぐ〉
斡旋収賄罪に問われる 「斡旋収賄罪(刑法197条の4)」には「公務員請託ヲ受ケ他ノ公務員ヲシテ其職務上不正ノ行為ヲ為サシメ又ハ相当ノ行為ヲ為サザラシム可ク斡旋ヲ為スコト又ハ為シタルコトノ報酬トシテ賄賂ヲ収受シ又ハ之ヲ要求若シクハ約束シタルトキハ五年以下ノ懲役ニ処ス」とある。〈あっせんしゅうわいざい〉
人心を収攬する 「収攬」には、集めて自分の手ににぎることという意味がある。戦国武将や過去の著名な政治家を形容する際に、「人心収攬術に長けていた」といったりする。〈しゅうらん〉
重篤な患者 「篤」1文字で、病気が重いといった意味がある。その文字にさらに「重」を付けて、病気が著しく重いことを表す。類語は「危篤」「篤疾」だ。一方、「篤」には、人情が厚い、誠実である、手厚いといった意味もあり、「篤実」「篤厚」「篤志家」といった言葉にもなる。〈じゅうとく〉
貴重な尤物 そうはいうものの、ただしという意味の接続詞として「尤も(もっとも)という表現がしばしば使われるが、「尤物」となると、読み方はちょっと難しくなる。意味は、多くの中で優れたもの、逸品、美女となる。〈ゆうぶつ〉
従三位の位 「従三位」とは、位階制度の序列の一つ。日本の位階制度は、聖徳太子による冠位十二階から始まった。現在でも位階制度は存続しており、正従8位、合わせて16位が存在する。現在、叙位対象は故人に限られている。〈じゅさんみ〉
位人臣を極める 臣下として最高位につくことを指す。日本の位階制度で言えば、天皇から正一位を叙位された豊臣秀吉、徳川家康、岩倉具視らが「位臣下を極め」たことになる。〈くらいじんしん〉
御愁傷様 「愁傷」には、嘆き悲しむという意味がある。これに「御」と「様」が付くと、不幸にあった人に対するいたわりの言葉になる。しかし、その場の状況とと言い方によっては、「ざまあみろ」といったニュアンスを含ませることもできる恐ろしい言葉でもある。同じように、いたわりと侮蔑をあわせ持つ言葉に「御生憎様(おあいにくさま)」というのがある。〈ごしゅうしょうさま〉
正鵠を射る 「正鵠」は儒教の4大経典の一つ、『中庸』から出た言葉だ。「正鵠」とは、弓矢の的の中心の黒い点のこと。「正鵠を射る」という表現には、事の要点、急所をしっかりとおさえるという意味がある。〈せいこく〉
悪寒がする 「悪寒」の「悪」の読み方を忘れてしまったら、「嫌悪」の読みを思い浮かべよう。〈おかん〉
我武者羅に働く 「我武者」には、向こう見ずに行動する様子、またはそのような様子の人という意味がある。さらに「羅」には、つらなる、ぎっしりとならぶといった意味がある。〈がむしゃら〉
稲の出穂 日本の稲の出穂時期はだいたい八月上旬頃。出穂が始まると、すぐに開花、受粉が始まる。受粉といっても、稲は自家受精植物なので、虫などの媒介生物に依存して行われるわけではない。〈しゅっすい〉
細大漏らさず 「国民の皆さんに細大漏らさずご説明して、ご理解をいただき……」などといった形で、しばしば政治家や政府関係者によって使われる表現だ。よく耳にする言葉だが、漢字表記を尋ねられると、すぐには思い出しづらかったりする。〈さいだい〉
碁盤の星目 「星目」とは、「碁盤」の上に記した九つの黒い点を指す。また、技量に差がありすぎる者同士が対戦するとき、技量の劣る方があらかじめ星目に石を置いて始める対局をいう。「星目」の他に、「井目」、「聖目」とも書く。〈ごばん〉〈せいもく〉
世知辛い世の中 仏の智恵である「仏智(ぶっち)」の対語が、世俗の知恵を表す「世知」。一方「辛い」には、差し迫った状況や危ない状況を指す場合がある。つまり、我々の知恵が生かされず、平穏でない世の中が「世知辛い世の中」ということになる。〈せちがら・い〉
見目麗しい 「見目」は、見た目や外見を意味する。「見目麗しい」とは、見た目が美しいことをいう。〈みめうるわ・しい〉
間尺に合わない 「間尺に合わない」には、割に合わない、損をするという意味がある。ちなみに、「一間」は一・八一八メートル、「一尺」は三〇・三センチ、「一寸」は三・〇三センチだ。〈ましゃく〉
満目の平原 「満目」には、見わたすかぎり、目のとどくかぎりという意味がある。「満目の平原」というと、北海道の平原ではどうしても物足りなく、やはり大陸の平原を表現するのが相応しいのではないか。〈まんもく〉
秋の村雨 「村雨」は、ひとしきり強く降って止んでしまう雨のこと。「叢雨」、「群雨」とも書く。〈むらさめ〉
恵沢に与る 「恵沢」には恩恵と同じ意味がある。「与る」には、物事に関与するという意味のほかに、受けるという意味もある。ここでは恩恵を受けるという意味で用いられている。〈けいたく〉〈あずか・る〉
良久し 「良久し」の読み方は少し難しい。知っていないとまず読めないだろう。意味は、かなり久しい、ほんとうに久しいという意味だ。〈ややひさ・し〉
政権を覆滅する 「覆滅」は完全に滅ぼすこと。そんなに頭をひねらなくても比較的簡単に読めるのではないか。〈ふくめつ〉
狂言の名題 「名題」は歌舞伎や浄瑠璃で演じられる狂言の題名を指す。また、歌舞伎役者の中で、主要な役を演じることのできる技量の高い役者を「名題役者」と呼ぶ。〈なだい〉
上巳の節句 「上巳の節句」は五節句の一つで、桃の節句やひな祭りとして多くの人が慣れ親しんでいる。残りの四つの節句は、七草粥の「人日(じんじつ)の節句」、子どものお祝いの「端午(たんご)の節句」、織姫と彦星の「七夕(しちせき)の節句」、菊の節句の「重陽(ちょうよう)の節句」となる。どの節句も中国由来のものだ。〈じょうし〉
衆議院の解散を命じる詔書 「詔書」は天皇の命を伝える公文書。戦後は、国事行為について天皇が発する公文書を指し、衆議院の解散詔書の他に、国会の召集の詔書、総選挙施行の公示の詔書などがある。〈しょうしょ〉
見様見真似 見た様子を見たまま真似ること。普段の会話の中で、よく使われる言い回しだ。〈みようみまね〉
雨が蕭々と降る 「蕭々」は風や雨、落ち葉などの音の物さびしい様子を表す。ちなみに中国語では、「ひひん」という馬の嘶きを表す言葉でもある。草かんむりが示すとおり、「蕭」は「かわらよもぎ」という植物の名前でもある。〈しょうしょう〉
神韻を帯びる とても人間が作ったとは思われないような詩文や芸術作品に備わった優れた趣を「神韻」という。〈しんいん〉
崖っ縁 「崖っ縁」に立たされる、「崖っ縁」に追い込むなど、普段からよく耳にする言葉だ。〈がけ・っ・ぷち〉
森厳な境内 「森」という漢字には、奥深い、厳かといった意味がある。従って「森厳」という2文字になると、非常に厳粛で厳かな様子という意味になる。「境内」は境界の内側のことだが、一般的には寺や神社の敷地内を指す言葉として使われている。〈しんげん〉〈けいだい〉
ハレー彗星 「ハレー彗星」は七六年の周期で地球に接近する。その周期を予測したのが、イギリスの天文学者エドモンド・ハレーだ。一七五八年、ハレーが予測したとおり、彗星が地球に接近した。ついに彼の予測が実証されたのだ。これを契機に「ハレー彗星」という名がつけられたが、ハレーはそれより一六年前の一七四六年に既に他界していた。〈すいせい〉
睡蓮の花 「睡蓮」は漢名で、和名では「ひつじぐさ(未草)」という。水生植物で、白・黄・桃・紫などの花弁の花をつける。夏の季語にもなっている。〈すいれん〉
壬申の乱 「壬申の乱」とは、六七二年に弘文天皇(大友皇子)と大海人皇子(天武天皇)の間で繰り広げられた内乱のこと。弘文天皇が自決し、大海人皇子が天武天皇として即位することで収束した。六七二年は、干支の壬申の年だったため「壬申の乱」と呼ばれている。〈じんしん〉
少年を審尋する 「審尋」とは、詳しく訊問すること。また、裁判所が訴訟当事者や訴訟関係者の双方の言い分を聞くことも「審尋」といわれる。〈しんじん〉
靱帯が断裂した 「靭帯」は、関節が不自然な曲がり方をしないように関節の動きを制御する繊維組織。膝や肘に無理な力がかかり過ぎると「断裂」してしまう。力士やプロ野球選手などに起こりやすく、時折スポーツ紙などの一面に「○○、靭帯断裂!」といった文字が大きく飛び交う。〈じんたい〉〈だんれつ〉
総領の甚六 「総領の甚六」には、長男、長女は大事に育てられるため、おっとりとして人が良すぎるという意味がある。通常、からかう気持ちを含めて使われる。跡継ぎや長男であれば、順番で家禄を継ぐことができるということから、「順禄(じゅんろく)」が転訛して「甚六」という名前が使われるようになったらしい。〈そうりょう〉〈じんろく〉
皇室の藩屏 一八八四年の華族令に則って、旧公家、旧大名藩主、明治維新勲功者などに爵位が与えられた。爵位には、公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵の五つがあり、爵位を与えられた者は貴族院の議員に任ぜられた。貴族院議員には「皇室の藩屏」としての役割が求められた。〈はんぺい〉
埴生の宿 「埴生」とは、黄赤色の粘土のこと。「埴生」で壁を塗っただけの家は粗末なことから、「埴生の宿」は貧しくて小さな家を指す。〈はにゅう〉
発言を遮る 「遮断(しゃだん)」「遮蔽(しゃへい)」などに使われる漢字だが、訓読みは?〈さえぎ・る〉
吉利支丹の伴天連と伊留満 「吉林支丹」はポルトガル語のキリスト教徒を意味するchrisitaoの当て字。一方「伴天連」は神父を意味するpadreの当て字で、一六世紀当時の宣教師たちを指した。また、「伊留満」は兄弟を意味するirumaoの当て字で、修道士を指した。〈キリシタン〉〈バテレン〉〈イルマン〉
納采の儀 「納采の儀」は皇室の私的行事で、一般の結納にあたる。平成一七年三月に紀宮様と黒田慶樹さんの「納采の儀」が行われたので、この文字を新聞などで目にした人も多いはず。〈のうさい〉
膳の猫脚 「膳の猫脚」って一体なんだろう? この言葉の意味を知らない人にとっては、想像力を掻き立てられる言葉だ。行儀の悪い猫が主の目を盗んでお膳に上がり、足跡を残していくこと、ではない。「膳の猫脚」とは、お膳や机の脚が猫の脚のように曲線を描き、内側に丸まった形のものを指す。〈ぜん〉〈ねこあし〉
神社の禰宜 「禰宜」は、神社に奉職する神職の職階の一つ。伊勢神宮には上から、「祭主(さいしゅ)」「大宮司(だいぐうじ)」「小宮司(しょうぐうじ)」「禰宜」「権禰宜(ごん○○)」「宮掌(くじょう)」「出仕(しゅっし)」の職階があるが、一般に「宮掌」と「出仕」は神職に含まれない。伊勢神宮以外の神社では、「宮司」「権宮司」「禰宜」「権禰宜」の職階が置かれている。〈ねぎ〉
薬を塗布する 同じ意味でも、一般会話では「薬を塗る」という言い方をするが、塗り薬の使用方法などには「適量を患部に塗布してください」と書かれる。〈とふ〉
騏驎も老いては駑馬に劣る 中国の故事成語で、駿馬も老いては駄馬にも劣るように、優秀な人も老いては凡人にも劣るようになるのたとえ。同じ発音でもビール会社の方は鹿偏の「麒麟」だ。〈きりん〉〈どば〉
春酣 「酣」には、「酒を楽しんで飲む」や「物事のまっさかり」という意味がある。「春まっさかり」という言葉を連想していけば、「春酣」の読み方も思いつくかもしれない。〈はるたけなわ〉
経木に包む スーパーで買い物を済ませてしまう人には、精肉を「経木」で包んでもらったことはないかもしれないが、お肉屋さんで量り売りしてもらう人は、杉や赤松、ヒノキなどを薄く削った「経木」に精肉を包んでもらったことがあるだろう。「経木」には、殺菌効果があり、通気性にも優れ、余分な水分も吸収してくれるという利点があり、魚屋さんでも使われる。昔の納豆売りは、納豆を「経木」に包んで売っていた。〈きょうぎ〉
救恤物資を送る 「救恤物資」というのは、災害などに遭遇した人たちが必要とする医薬品や食料品などの物資のこと。「恤」という漢字はあまり見慣れない漢字だが、あわれんで金品を与えるという意味がある。〈きゅうじゅつぶっし〉
軒端につるす 「軒端」につるすものの代表格はやはり風鈴だろうか。百人一首にも「軒端」が登場するが、こちらの「軒端」には「しのぶ草」がぶら下がっている。「百敷や 古き軒端のしのぶにも なほあまりある 昔なりけり 順徳院 100番」。〈のきば〉
街を徘徊する 「徘徊」は比較的簡単に読めるだろう。天気のいい日に目的もなく気ままにブラブラと街を歩きまわるのは楽しいものだ。〈はいかい〉
衣鉢を継ぐ 「衣鉢」とは、袈裟と、托鉢を受ける鉢のこと。「衣鉢を継ぐ」は、禅の開祖・達磨大師が、弟子たちに教えを伝授した証として法衣と鉄鉢を授けたことから作られた言葉。現在では、師から弟子に奥義を継いでいくことや、先人から若い世代に、物事を引き継いでいくことを意味する表現になっている。〈いはつ〉
紺碧の空 「碧」は深い青色を表す漢字で、「碧海(へきうん)」や「碧眼(へきがん)」といった言葉を構成する。「碧」に「紺色」が混ざって「紺碧」になると、「碧」よりもさらに深みのある濃い青色を表すようになる。〈こんぺき〉
随喜の涙 「随喜」は仏教用語から転じた言葉で、他人の善事を見て、歓喜を感じることをいう。「随喜の涙」とは、心の底からありがたく思って流す涙のことだ。〈ずいき〉
辛辣な批判 「辛辣」という漢字を見ただけで、いかにも手厳しいといった様子が伝わってくる。字面を見ただけでその雰囲気が伝わってくるというのは漢字の優れた特徴だろう。〈しんらつ〉
真如の月 「真如」とは仏教用語で、ありのままの姿や存在の本質、真理そのもののことをいう。「真如の月」とは、「真如」が全ての迷いを打ち破ることを、月が闇夜を照らすことにたとえたもの。〈しんにょ〉
ソロモンの箴言 「ソロモンの箴言」は旧約聖書の中の一書で、従来、イスラエル王国の三代目の王でダビデの子であるソロモンの言葉を記録したものと考えられてきたが、実際には様々な無名の人たちの格言を集めたもの。「箴言」という言葉は耳慣れない言葉だが、戒めの短い句のことを指し、格言なども含まれる。ソロモンは賢者の王として知られている。〈しんげん〉
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